症例6 外傷歯の神経の保存

 2012年9月、ブランコから落ちて右下1を破折した、当時7歳の女の子。その日はスーパーボンドという接着剤にて神経が露出した面(露髄面)を閉鎖した。なお、当院ではダッペンディッシュならびに筆をパックし、オートクレーブ滅菌した接着剤を常備している。歯の神経が保存でき、さらに退縮することを期待して10月に仮の歯を装着した。1年2ヵ月後の2013年11月、デンタルX線写真を撮影したところ、歯の神経が退縮していることを確認した。そこで歯質にピンを2本植立し、これを保持にして、保存しておいた欠けた歯を接着した。切断面がライン状に残り、審美的にはあまり美しくないが、歯の保存にとっては最良の治療法であると思う。
 2016年12月、術後3年たったが変化は特になく、順調である。