一般的には保存不可能、すなわち抜歯と考えられている歯でも条件によっては残すことが出来ます。
虫歯が深い、歯根にヒビ(破折)が入っている、歯根に穴(穿孔)があるケースにおいては、一度歯を抜歯し、患部が歯ぐきより上にくる位置に浅く戻します。その後、隣の歯と3週間固定します。再植することにより、歯根の長さが短くなるので、どうしても歯の動きが大きくなります。この場合は最終修復物を隣の歯と連結固定することになります。
また、歯の根の先に病巣があり、通常の根の治療では治らない等抜歯の適応であるケースにおいても、一度歯を抜歯し、口腔外にて治療を行った後、歯を元の位置に戻すことにより病巣を治すことが出来ます。しかし、抜歯時に歯根破折が生じる危険があるので、最後の治療手段であることに変わりありません。