症例3 3mix

 1999年3月初診、20歳男性。右上4の歯の詰め物がとれたが主訴で来院。自発痛はなかったが、デンタルX線写真から虫歯が歯の神経近くまで進行していた。このまま麻酔を施し、虫歯を取り除くと神経をとる可能性が高いことから、当時脚光を浴びていた3mixを用いた治療を行った。これは細菌を殺す三種の抗菌剤を使用している。約1ヵ月薬を塗布した後、再度残存している虫歯を除去し、接着セメントにて裏層を行ったうえで、メタルインレーを装着した。20年後の2019年、遠方にて電話での確認となるが特に問題は生じていないとのこと。 
 なお現在、当院においては薬剤の漏洩、耐性菌の問題等から3mix法は行っていない。しかし、この治療法のコンセプトは症例5に述べる歯髄温存療法へと引き継がれている。