症例5 人工的穿孔

 1997年8月初診、28歳の女性。左上2の歯根に人工的穿孔が認められた。一般的には抜歯の適応であるが、根尖側4〜5mmの歯根膜は正常であることから再植を行ってみた。約1年間、仮歯で経過を観察。歯周ポケット、歯の動揺等特に問題がなかったので、1998年7月にブリッジを装着した。デンタルX線写真から根尖付近に僅かであるが歯槽骨の再生がみられる。
 左上2をブリッジの支台として約18年経過した後も、特に問題は生じてない。再植を臨床に取り入れた初期の症例であるが、自分でもこの経過の良さに驚いている。