症例4 歯根破折(2)

 2015年3月初診、55歳の女性。左下4の咬合時痛を訴えて来院。デンタルX線写真から歯根破折がみられた。右側は、右上7が欠損で右下6が舌側に転位しているため、右側では咬みにくく、どうしても左側咬みになってしまう。この結果、無髄歯である左下4の歯根破折が生じたものと考えられる。
 破折は根尖側から3分の1にまで達していたが、何とか保存したいと考えて再植を行った。さすがに単独植立は無理なので、左下6のコンポジットレジンを除去し、左下5および6の連結冠を装着した。ブリッジであれば、バージントゥースである左下3を削る必要が生じるが、再植によって回避することができた。