症例2 支台歯を削去しない可撤性ブリッジ(1)

 2000年初診の22歳男性。2014年3月、乳歯の右下Eに痛みが出て来院。根管治療を施したが治癒せず、まず前側の歯根を抜去した。奥側の歯根のみで様子をみたが、咬むと痛みが出たためやむを得ず抜歯した。右下の補綴処置は、ブリッジ、インプラント、移植、義歯が考えられる。ブリッジは、右下6および健全歯である右下4の削去が必要となる。インプラントでも問題ないと思われるが費用がかかる、また将来の予後が今一歩心配である。移植は、ドナー歯がないので無理。一方、クラスプ(バネ)を用いた義歯であれば、安価で、機能的にはまったく問題ないが、右下4にかかるクラスプの審美性が気になる。
 そこで今回は、右下6は削去せざるを得ないが、可撤性ブリッジ(コーヌス義歯)を装着し、右下4のクラスプは前から見えない範囲までとした。右下6の切削はもったいないが、少なくとも歯の神経をとることはないように意識した。タイトルに支台歯を削去しない可撤性ブリッジと書いたが、あくまでも右下4に限ってのことである。